「改善した人」と「悪化した人」の違い・・・
糖尿病患者の日本初の大規模臨床試験の中間報告が、今年1月に発表されました。 患者2000人の生活をつぶさに調査した結果、これまで欧米の研究結果をもとに信じられてきた
「やせればいい」といった糖尿病対策の常識が、必ずしも日本人には当てはまらないことが判明したのです。
▼「日本人は省エネ体質?」
・『節約遺伝子』とは日本人が過去数千年の食生活で培ってきた遺伝子で、 少量の食べ物で生活できるようになった省エネ遺伝子です。 アメリカのミシガン大学のニール教授が提唱して、現在では世界的にも認められている説です。
・日本人が糖尿病になりやすいのは? → 欧米人と違いインスリンの分泌量が違うため、 洋食のように高脂肪や高カロリーのものを食べると上昇する血糖値に、インスリンが対処できないためです。
これは先に出てきた節約遺伝子が影響していると考えられています。
「日本糖尿病臨床介入試験」について
平成8年から始まった、全国59の医療機関が協力・分析を行っている、糖尿病患者の大規模実態調査です。 全国2000人の2型糖尿病患者を対象に、病気の進行度、食事制限や運動の程度などを追跡調査して、
合併症予防にどんな対策がどれほどの効果を持つのかを探る研究です。
▼「改善した人」と「悪化した人」について
2000人の中には、調査が始まってからの期間中に、一定以上症状が改善した人が462人いました。 一方、一定以上症状が悪化した人が273人いました。
両者の生活習慣を比較すると、1日の総摂取カロリーは、改善グループは平均1746キロカロリー、 悪化グループは平均1759キロカロリーで、ほとんど同じでした。
さらに、両グループは、症状が変化する前後で体重の変化はほとんどありませんでした。
唯一、両グループ間で差が認められたのは、日々の運動量でした。
運動嫌いの2型糖尿病患者さんに、競馬が好きということで、10分間馬に乗ってもらったところ、 血糖値だけでなく、インスリンの量も減っていました。
次のような順で、働きが起こります。
1.食事をすると、血液中に血糖が増える。
2.すい臓から分泌されるホルモン、インスリンが筋肉細胞などに、血糖が高いことを知らせる。
3.細胞の中にあるたんぱく質、GLUT4(グルットフォー)が、細胞表面まで移動して、糖を細胞内に取り込む。
※太っている人の場合は、脂肪細胞から出る阻害物質が多く、 これがインスリンとグルットフォーの間の糖のやり取りを邪魔する。
『馬に乗ったら血糖値とインスリンが減ったワケ』
乗馬は知らず知らずのうちに、落ちないよう太ももの筋肉を使います。 この刺激がグルットフォーを増やし、糖を取り込んでくれたのです。 実験では10分程度でも十分な効果が見られました。
またこの時グルットフォーは、インスリンの仲立ちなしに勝手に働くので、 出番ではないと知ったインスリンは分泌量が減ってゆくのです。
※グルットフォーとは? その働き
グルットフォーは細胞内にあるたんぱく質の一種で、普段は細胞内部に存在している。 インスリンは血中に糖が増えたことを伝える指令役であり、 グルットフォーは実際に細胞に糖を取りこむ実行役。
糖尿病になると筋肉細胞中ではグルットフォーが、細胞表面に出てこなくなることが確認されている。 運動はグルットフォーの量を増やす効果がある。
運動によるグルットフォーへの効果が持続するのは数日。運動しないとまた元に戻る。 このため、定期的な運動を行うことが大切。
▼『筋肉を刺激し 劇的効果!』
運動嫌いのAさん(2型糖尿病)に、2週間の筋肉刺激に挑戦してもらいました。
2週間の結果
血糖値(午前10時、空腹時): 233 → 103
ヘモグロビンA1c(4週間の血糖値のレベルを表す数値): 6.9 → 6.7
筋肉刺激のメニューについて
ポイントは「普段使わない筋肉を使うこと」と「大きい筋肉を使うこと」です。
1.イスから立ったり座ったり。立つときにバンザイをする
2.寝た状態から、首とヒジ、かかとを使ってお尻を浮かす
3.足の指を使って、タオルを手前に手繰り寄せる
4.大またでウォーキング
5.片足立ちで、上体を床と平行にし、腕で平泳ぎする
6.寝た状態で、空中で自転車をこぐ要領で足をグルグル
7.階段などの段差を使って踏み台昇降
etc
※筋肉や関節に負担をかけないように注意して行って下さい。
▼『食事のウラ技』
朝食を1時間早くしたところ、食べる量や内容が同じでも、1日全体の血糖値が下がりました。
食事のポイント
・朝ごはんは早めに食べる
・朝ごはんはしっかり食べる
・朝ごはんを抜くと、その分、昼、夜の食事が増え、血糖値が非常に上がることになります。
・夕食は早めに 夜はすい臓の活動が下がる時間帯です。 遅い夕食は夜中の高血糖の元になります。朝ごはんまで、 12時間ほどあけるようにするのが理想とされています。
食事の基本となるのは、「糖質」「タンパク質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」の五大栄養素、 これをバランス良く摂る事。『節約遺伝子』にあった日本食にする。
ビタミンB1は、糖質を分解するのに不可欠な栄養素。
亜鉛こそ、インスリンが作られる時の補酵素。
※超ミネラル水は すばらしい水ですが、病気になった生活習慣を変えずに、 超ミネラル水のみに頼るのではなく、上記の運動と食事ポイントもあわせて実行して下さい。
効果がより早く生まれます。